「超吟」を作るために精米した米の粒です。精米歩合21%。つまり、米粒を79%も削るとこんな、真珠の粒みたいになってしまうんです (著作権:Shozo Fujii)

福井の美酒 梵(ぼん)

世界に羽ばたく純米大吟醸

「超吟」を作るために精米した米の粒です。精米歩合21%。つまり、米粒を79%も削るとこんな、真珠の粒みたいになってしまうんです (著作権:Shozo Fujii)
Shozo Fujii   - 1分鐘閱讀時間

梵(ぼん)は福井県鯖江市にある名醸蔵元、加藤吉平商店のブランドである。今や、梵は海外のコンペティションで毎年のように受賞をして、つとに高い評価を得ている蔵元である。 

 その沿革は、創業万延元年。それまで両替商・庄屋だった先祖が日本酒製造を始めた。代々「吉平」(きちべい)を襲名し、現在、十一台目を数える老舗である。酒造りの特徴は、伝統的な手作りで、地下、約180メートルの深さの井戸から汲み上げた日野川の伏流水で、山田錦と五百万石米だけを使い、すべての蔵内の自社酵母でのみ酒造りを行っている。さまざまな造りこみの純米大吟醸の名醸酒を醸造している。

 中でも、最高なのは「超吟(ちょうぎん)」。精米比率なんと21%である。通常の清酒は仕込んで1年後に出荷する「新酒」が普通であるのに対して、梵は長期熟成がスタイルである。マイナス8℃で5年間熟成された最高の純米大吟醸酒。皇室献上品だが、そういうタイトルがつかなくとも、この一品の実力はわかる。

私個人的には、梵のラインナップの中で、「日本の翼」が断然好きだ。この酒は、日本政府専用機正式機内酒としてあまりにも有名である。雑味を一切排除しながら、ふくよかなコクはしっかりと残り、香りもすがすがしい。口当たりがやわらかく、後味の切れが最高。和食に限らず、フレンチでもマッチする。 どんな料理を持ってきても、料理を引き立て、自らの酒の味わいもしっかりと主張するバランスは見事というほかない。国賓クラスの歓迎晩餐会などで乾杯に用いられているほど、日本の清酒の代表として胸を張って紹介できる美味しさなのである。精米歩合35%。0℃で2年間の熟成だ。

本醸造のリーズナブルな価格のものでも十分美味しく楽しめる。福井人として、私はこの「梵」をとても誇りに思っている。ぜひ飲んでいただきたい。

Shozo Fujii

Shozo Fujii @shozo.fujii

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